2009/7/19
22日に日本で皆既日食が見られます。
と言ってもボクの住んでいるところでは部分日食しか見られませんが。
最近は絶景にしろ、珍現象にしろ、テレビで擬似体験できますので、さほど実体験したいとは思いません。
でも、それほどの費用をかけずに実体験できるものならば是非体験したいものです。
たとえば、1万円くらいで可能なら屋久島の縄文杉を見てみたいし、同じく1万円で可能ならスペースシャトルにも乗ってみたい。(1万円までかい!
皆既日食なら3000円くらいまでかな?
ボクはその程度の魅力しか感じない皆既日食ですが、はまってる人は外国にだって見に行くそうですね。
やはり生で体験すると自分が宇宙の一部なのだというのが感じられて「ロマン」みたいですね。
メガスター(プラネタリウムです)の製作者である大平貴之さんは「皆既日食を見ているそのとき、太陽と月と自分の中心が一直線に並んでいると思うと感動する」というようなことを述べていましたけど、そういうのは部分日食では感じられませんから、遠くまで出かけて皆既を見る人にはそれなりの良い報いがあるものとは思います。
ところで、「どこどこで皆既日食が見られる」という話は毎年2回ある理屈だそうで、テレビでも度々報じられますから、実際に自分が体験した日食はいつだったのだろうかと考えてみました。 (2009/7/22 追記 : 年2回というのはボクの勘違いでした)
記憶にあるのは小学生か中学生だった時に授業中にガラスに煤をつけて、あるいは下敷きで観察した部分日食です。
それ以後は見た記憶がなかったのですが、ネットで調べてみたら日本での皆既日食は46年ぶりだそうで、ということは記憶していたのは小学生のときでした。
それ以後、普通に暮らしている限りは日食を見るチャンスはなかったわけで、2度目のチャンスが来たる22日であるわけです。
であるならば、今度もちゃんと見てみようという気になってきまして、日食について気になっていたことを調べてみました。
まず、今回の日食は6分40秒ほどもの長い時間皆既の状態が続くのだそうです。
ボクは今まで月と太陽の見かけの大きさはほぼ等しいと思っていましたので、これが不思議に感じられました。
見かけの大きさが等しければ極端に言えば皆既の状態は一瞬で終わってしまうわけです。
それが6分以上も続くということは、月の方が太陽よりも見かけの大きさが大きいということです。
その辺の説明もネットにありました。
その説明では、地球にできる月の影が今回は大きくなる理由とからめて述べていました。
何でも、その影を飛行機の中から見るというツアーがあるのだそうで、飛行機からだと太陽の高度が高すぎて日食は見えないのだそうですが、地上の影を見るのだそうです。
これもなかなかのロマンですね。
で、いつもより影が大きくなる理由(皆既状態が長い理由でもあります)として、(1)月が地球に近い (2)太陽が地球から遠い という2点を挙げていました。
地球の公転軌道は楕円ですし月の公転軌道も楕円ですので、それぞれ、地球の太陽からの距離や月からの距離は変動し、今回は上に挙げたようにどちらも影が大きくなる(皆既状態が長く続く)位置関係になるのだそうです。
しかし、ちょっと考えてください。
単純化するために太陽と地球の距離は一定とし、その間で月の位置だけが太陽寄りになったり地球寄りになったりするとします。
そうすると今回は月が地球寄りになったので影が大きくなるというのです。
ね? なんか変だと思いませんか。
普通、光を遮る物体が光源から離れると、できる影は小さくなりますよね。
反対に、光源に近づくと影が大きくなります。
だけど、ネットに書いてあった説明は反対です。
そこで別の見かたで考えてみます。
月までの距離が変ると月の見かけの大きさがどうなるかを考えます。
当然ながら、遠く離れると見かけの大きさは小さくなります。
近づけば大きく見えます。
そして、同じ光源に対して、(見かけ上同じ位置で)物体の大きさが大きくなれば、影は大きくなります。
月が地球に近づいて大きく見えると、影も大きくなりそうです。
これだとネットの説明のようになります。
どういうことなのでしょうか。
相当考えて、ようやく答えが分りました。
それは、光源が点であるか面であるかというところに問題があるのでした。
もし光源(太陽)が点であったなら、月が地球寄りになれば影は必ず小さくなります。
そして皆既状態の時間は短くなります。(地上においては影の中にいる間だけ日食を見ることができます)
基本的にはこれで正しいはずです。
しかし、太陽は点ではなく面です。(見かけのことですけどね)
太陽が点であれば部分日食というのは有りえないわけで、ずべて見えている状態から皆既の状態へと一瞬で移ります。
地上にできる影もほぼ一様に濃い丸い影となるはずです。
一方、実際の太陽の場合は、皆既日食が見られる場所からある程度離れた場所ではたいてい部分日食状態となります。
部分日食の見えている場所は、太陽光の一部分しか届きませんから薄い影となります。
つまり、影の中心部分には皆既日食が見られる濃い丸い影があり、その周りの部分日食が見られる範囲にはその食の程度に応じた濃さの影がボヤッと存在するということです。
で、図に描いてみると分るのですが、月が地球寄りの場合には皆既日食が見られる濃い影の部分が大きくなり周囲の薄い影の部分(影全体といってもいいかも)は小さくなるのです。
月が地球から離れ太陽に近づくと、逆に濃い影の部分が小さくなり薄い影の部分(影全体)が大きくなります。
ということで、一口に影といっても単純ではないのでした。
また余裕ができたら図解してみたいと思いますが、今回はこのままで理解していただきたいと思います。
ところで、これが理解できる前に、もう1つ新しい理解がありました。
それは平行光線のことです。
太陽光線は平行光線だと考えてもよい…と学校で学びました。
ボクはこれが今までずっと、なんともすっきりと理解できなかったのです。
なぜ平行と考えてもいいかという理由として教えられたのは太陽までの距離がとても遠いからということでした。
うんと遠いから太陽があんなに小さく見えるわけです。
でも、そのように小さく見えるということは、そこから発せられる光線も地球に対して放射状に届いているということではないのか…という思いが消えませんでした。
まあ、実際にはそうではないのですけど、それでも、イメージとしてはどうしてもそう思えてしまうのです。
それを克服できたのは次のことに気付いたからです。
実はボクは太陽から見たときに地球がどう見えるかということを考えたことがありませんでした。
それを今日初めて考えたのです。
地球の直径は太陽の約110分の1です。
ということは、太陽から地球を見ると、地球から太陽を見たときの大きさの110分の1の大きさ(直径の長さで)に見えるということです。
まさに点の大きさです。
その点に届く光線は1本の線と考えてもいいでしょう。
北極に届く光も南極に届く光も、太陽から見ればほぼ完全に同じ方向に進んでいると言えるのです。
念のため、地球の端と端では太陽からの光線の角度がどのくらい異なるかを計算してみましたが、0.0046度となりました。
やはり平行光線と考えてもいいようですね。
それにしても今までどうしてこのように考えることができなかったのでしょうか。
ボク以外の人は皆さんは、ちゃんと納得できていたのでしょうか。
小学校の先生はもちろんのこと、中学の理科の先生の中にもその点を理解してない人が多くて、それで、ちゃんと教えていないのではないかという気がするのですが…。(そう言ってる誰かさんも… 汗 汗
さて、この平行光線についてもう1つ、太陽からの光線は点からの光線ではなく面からの光線なんだけど、それと平行光線との関係はどうなのかがよく分りませんでした。
太陽から見た地球は点に見えますから、太陽も点に見えれば、点から点へと光が進むだけで分りやすいですが、地球から見た太陽には大きさがあります。
地球からの角度で直径で0.5度くらいの大きさがあります。
まあ、これも大雑把に言えば平行と言えないこともないですが、大雑把過ぎる気もします。
今日までは、そんな0.5度の幅のある光線がごちゃ混ぜに入り混じって平行光線ということになってるのかな…などと、とんでもないことを考えていました。
でも、そうじゃなかったのですね。
太陽の表面のある1点から発した光線は地球に対して平行光線として届くけれど、太陽の端と端から出た光線は決して平行ではないのです。
0.5度の違いがあるのです。
太陽上の離れた2点から出発して地球という1点に集まってくるということです。
その2本の直線の角度が0.5度。
だから、うんと細い棒を立てて、その影を見た場合、棒が細ければ濃い影ができないことも有りうるわけです。
完全な平行光線ではないから(あるいは点光源からの光線ではないから)右側から来た光線が作った影を左側から来た光線が消してしまうので完全な影ができないのです。
部分日食の見える部分と同じような薄い影しかできないわけです。
細い棒でなくても、影の輪郭部分は必ずボケるわけです。
それは太陽光線が完全な平行光線ではないから。
地球のどの場所でも太陽のある1点から届く光線の方向は同じだという意味では平行光線だけれど、太陽が面光源であるために色んなところから光線が届くという点では平行光線ではないということですね。
で、22日には何を観察しましょうか。
テレビで面白いことを言っていました。
部分日食のとき、木漏れ日が落とす影を見ると、欠けた太陽の形がいっぱい見えるというのです。
木の葉の作る隙間がピンホールカメラと同じ原理で、それぞれに太陽の像を作り出すのだそうです。
これ、部分日食ならではの絵ですよね。
晴れたらデジカメで撮影してみようと思います。
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